内部調節装置: 内分泌腺は、身体機能を刺激し制御します。

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甲状腺

甲状腺の 3D モデルを回転させると、首の前面と側面に甲状腺の位置が確認できます。

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主要な内分泌腺と二次的な内分泌腺およびその作用についての説明

内分泌系の腺は、ホルモンを血流に分泌し、ホメオスターシスを維持し、代謝を調節します。 視床下部と下垂体は司令塔かつ制御センターで、他の腺と全身にホルモンを運びます。 甲状腺、上皮小体、副腎および松果腺を含む他の主要な内分泌腺は、血中でさまざまな物質の濃度を調整し、代謝、成長、睡眠周期および他のプロセスを調節します。 膵臓などの器官も、内分泌系の一部としてホルモンを分泌します。 二次的な内分泌器官としては、性腺、腎臓および胸腺があります。

1. 司令塔: 視床下部と下垂体は、内分泌系に指令を出します

漏斗部と間脳を含む視床下部と下垂体の図

視床下部と下垂体は、脳の間脳領域の一部です。 視床下部は、神経系を内分泌系につないでいます。 それは、他の脳領域と経路からシグナルを受け取り、処理してから、内分泌系の化学伝達物質であるホルモンに変換します。 こうしたホルモンは、漏斗部により視床下部に接続する下垂体へと流れます。 一部の視床下部のホルモンは、将来の放出に備えて下垂体に貯蔵され、 それ以外は、それ自身のホルモンを分泌するように促します。 下垂体と視床下部によって放出されるホルモンは、他の内分泌腺を制御し、すべての主要な身体の内部機能を調整します。

2. 松果腺は、日々の体内時計を動かしています

メラトニン生成の仕組みを示す松果腺の図

松果腺は小さな松果状の形状で、脳の間脳領域の後部に位置します。 外見的には独特で、脳の中央近くにある対になってない構造をした松果腺は、歴史上興味深い対象です。 17世紀のフランスの哲学者ルネ・デカルトは、それを“魂の所在地” に違いないと考えました。 おそらく、その考えは睡眠における松果腺の役割に根ざしたものだったのでしょう。 夜間に光がない状態では、松果腺はホルモン・メラトニンを分泌します。 メラトニンは、日周期(毎日)や季節的な周期によって、身体の睡眠パターンを調節します。 朝に光が眼に当たると、網膜の光受容体がシグナルを松果腺に送信し、メラトニン産生が減少します。

3. 甲状腺と上皮小体は、代謝を上げて、カルシウム濃度を調整します

喉頭と気管も含めた甲状腺と上皮小体の正面像と後面像

甲状腺は、ちょうど喉頭の下の喉領域に位置し、多くの分枝と密集した毛細管のネットワークと共に大血管によって栄養されています。 分泌される甲状腺ホルモンは、チロキシン(T4)とトリヨードチロニン(T3)で、両者は血流に乗って全身に運ばれ、代謝を上げ、ブドウ糖の消費、タンパク質の合成および神経系の発達を増加させます。 甲状腺も血中カルシウムホメオスタシスの維持を補助するカルシトニンを放出する作用があります。カルシトニンは、血中カルシウム濃度が高すぎると、カルシウムを血中から除去し、骨へ沈着することによってカルシウムホメオスタシスを維持します。 甲状腺の裏側に、ずっと小さい独立した腺、 上皮小体があります。 典型的には、甲状腺の両側に左右上下に1つずつ、計4個あります。 上皮小体は、上皮小体ホルモン (PTH またはパラトルモン)を分泌し、血中カルシウム濃度が低くなると、骨を刺激してカルシウムを血中に放出します。 PTHも、腎臓から尿へのカルシウム分泌を低下させることによって、血中カルシウム濃度を上昇させる作用があります。 カルシトニンとPTHは協調して、血中カルシウムホメオスタシスを補完的に維持します。カルシウムホメオスタシスは、身体で最も厳格に制御された生理的パラメータの1つです。

4. 副腎は血中の物質濃度を調節して、“闘争-または-逃走”ホルモンを放出します

副腎髄質、副腎皮質および腎臓と共に、副腎を示す図

副腎は、それぞれの腎臓の最上部に位置する錐体形の器官です。 それぞれの副腎は、2つの構造、 外側の副腎皮質と内側の副腎髄質から構成されています。 副腎皮質は、腺の大部分を作る繊細な結合組織のネットワークです。 それは、一連のステロイドホルモンを分泌します。 コルチゾールなどのグルココルチコイドは、タンパク質と血糖値を管理します。 アルドステロンを含むミネラルコルチコイドは、水分と塩濃度を調整します。 性腺コルチコイド(アンドロゲンとエストロゲン)は、男女共に、副腎皮質で少量分泌されます。 副腎髄質は、エピネフリンとノルエピネフリン(NE)を産生します。 こうした化学物質は、ストレスに対する身体の初期反応である“闘争-または-逃走” を促進します。

5. 主要な寄与因子: 膵臓は、血糖を調節します

膵管、膵島、胃および小腸も示している膵臓の図

他の身体系の一部の器官もホルモンを分泌し、内分泌系の“第二の器官” と考えられています。 たとえば、膵臓は消化器系の一部です。 それは、膵管を経て小腸に膵液を排出します。 また、膵臓内には、血流へホルモンを放出する膵島(またはランゲルハンス島)と呼ばれる小さな細胞塊も散在します。 こうした島は膵臓組織の2%未満にしか満たないのですが、このような特化した細胞が血糖値を調整します。 血糖値が低いと、膵島のα細胞がグルカゴンを放出します。 グルカゴンは、肝臓がグリコーゲンを分解して血中へより多くのブドウ糖を放出するように促進します。 血糖値が高いと、膵島のβ細胞がインスリンを放出し、ブドウ糖の再摂取が増加します。

外部リソース

下垂体構造の発見に関するサイエンス・デイリーの記事。

皮小体の説明、グレイの人体の解剖学(1918版)から。

Visible Bodyの解剖学的構造と生理学はガイド付きの視覚的に優れたプレゼンテーションで、各構体系の詳細情報を提供します。

シカゴ大学医学部のオンライン図書館に所蔵されている内分泌系の解剖についての学習用資料。